○「領土問題」。。

このコーナーがあるから、今回はココを使います。ココのコーナーが途絶えてからも、
折につけ、とりわけ近隣諸国からの国際放送を受信して、レポートを送り、イチ日本
国民としての意見・感想を送るという民間外交の方法はずーっと続けてまいりました。

ところがココに来て、北朝鮮との日朝協議再開の知らせが入るや否や、お隣の大国、
中国と、日本名で言う「尖閣諸島」の領有権争いが起き、両国の関係は長期にわた
って冷えこんでしまう事態に発展してしまいました。

感情抜きでお聞かせ致します。コト歴史的にどちらの国に領有権があるかは、あくま
で両国間の話し合いの上で、あらためて「国境線の線引き」の作業を行うべきもので、
国連総会の場で、「俺んトコのだ」「いや、俺のトコから盗んで行ったのだ」と他の国々
を交えて「主張合戦」をする性質のモノではありません。



あくまで2国間の領有権争いは、当事者の2国間でよーく話し合われるべきモノと考え
ます。コト国境・領土問題には、当事国の意識と、実際にはどちらの国の主権が及ぶ
か、という「実効支配」はどちらにかあるかの「現実」しかありません。

そして歴史的には、コレまでの様々な史実から「どちらの国に言い分がある」の価値
判断はできても、主張と「実効支配」の現実から、具体的に正式に国境・領有権・領
海の範囲を定めるのは、あくまで当事国2国同士の「外交交渉」により話し合われる
べきで、それを「条約」のようなカタチで文書化し、両国の議会で批准する、というのが
恐らく、「外交のいろは」だと思われます。

尖閣諸島は日本が確かに「実効支配」しています。その点で、現時点でも日本の「主権」
が及びます。しかしはるか昔、「日中平和友好条約」が締結されたときには、尖閣諸
島が正式にどちらの国に属するかは決まってなかった、文書化して国境線が定めら
れていたワケでは無い、という事実があります。

そこを日本は「国有化」という手段を用いて、イチ早く世界に向けて「日本の領土です」
とアピールしてしまった。正確には帰属権があいまいなトコで「実効支配」だけを慣例で
続けてきたトコを、正式に国際社会に向けて「日本の領土だ」とアピールしたワケです。

中国側からすれば、自国民のナショナリズムを納得させるために、ワザと領有権には
長いコト触れずに、日本の「実効支配」を暗に黙視してきたというワケです。そこに来て、
日本が国際社会に先駆けて領有権をアピールすれば、中国も黙っていません。「もと
もと中国固有の領土だ」と白書に記するコトで、出遅れて世界にアピールし返したワケ
です。

なぜココに来て尖閣諸島の領有権が脚光を浴びるかに至ったかというと、日本の背後
にあるアメリカ合衆国の軍事的な目論見もあるでしょうが、大体は漁業権と、海底ガ
ス油田に代表される「資源の宝庫」だという事実が深く認識されてきたからです。領有
権がある方に、その採集、掘削、開発の権利が生じてくるからです。尖閣諸島周辺。

どちらも経済にとって死活的に重要なワケです。

もちろん中国国内の法に則って投資をし、雇用を提供している中国に進出する企業群
が、だからと言って放火や襲撃に遇っていいワケありません。その点は、中国の商務
担当に厳正に首謀者を処罰し、補償・賠償をしてもらわなければ筋が通りません。そん
なことをしていたら外資はすべて投資を引き揚げます。商売にならないからです。生命
の危険もあります。観光などにはもってのほか行けません。命の保障の無い渡航など
期待されても無理なお話しです。

ただ国交正常化・平和友好条約締結時に、尖閣諸島は領有権がどちらにあるかをハ
ッキリ定めずに、「棚上げ」して問題を先送りにして、「日本の事実上の実効支配」だと
長いコト、慣例でやってきたワケです。ココは重要です。国際司法裁判所に提訴しても、
もともと2国間の境界線を定めて両国の議会で批准した文書が無いのですから、判断
の仕様がありません。コトは国連総会の多数決にも馴染まない問題です。

要するに「ココらでそろそろどちらに領有権があるのか話し合おうじゃないか」と「外交」
で「交渉」すべき問題なのです。北京で話し合っても成果が出ないのは同時期に国連
総会で領有権の存在を宣言してしまってるからです。中国側からすれば「話し合った
トコでしょうがない」ワケです。

ですから両国の「外交担当者」ひいては閣僚級、そして条約化・議会での批准という
カタチに辿り着くまで、あくまで「実効支配」であって「国有化」は認められないのです。
中国側からしてみれば。ですから漁業・エネルギー資源の共同開発、もしくは双方に
その権利があるような話し合いの結論を待って、「実効支配していたのでそのままで
かまわないですか?」と交渉して納得し合えば、もともと問題は解決するハズだったの
です。

政府にはメンツがあります。とくに集団指導の国家体制には。国民を納得させるため
にも「大義名分」が必要になってくる。そんなコト無視して、威勢よく「国有化」とアピー
ルしてしまったのですよ。日本政府は。尖閣諸島。

韓国と問題になっている竹島はこの逆です。韓国側の実効支配に置かれている。また
領有権の定義づけが両国で話し合われて文書化・双方議会の批准が行われてきた
ワケではありません。でも日本人が上陸しようとすると戦闘になる、つまり韓国側が「実
効支配」しているワケなのです。ですから李大統領の訪島に、日本側からは「日本の領
土」かもしれない土地に外国元首が足を踏み入れた、と今度は日本が抗議しているワ
ケです。

ロシアとの北方領土は、歯舞・色丹島の両島は日本に返す、トコまで話しが進んだ経緯
があり、今のプーチン大統領もその線の考え方を重視していて、2島は交渉によっては
返還される可能性は十分にあります。コレを進めていくのも、日本とロシアという2国間
の「外交交渉」なのです。

ざーっと書きました。

特に対中国の場合は。経済・文化・人的交流すべてにわたって凍結・停止・破棄の流れ
が止まらず、両国は向こう30年間は交流さえまったくできない瀬戸際まで来ています。

マクロで見てください。経済も、文化も、政治も。国際秩序の安定、要するに緊張緩和・
平和維持の観点からも。実は「国有化」によって失っていく物事の方が遥かに大きい
のですよ。

かと言って、「実効支配」をしていた島の領有権を相手にみすみすあげるコトはありま
せん。ただ正式に国際社会で国境の線引きをアピールするのなら、「交渉」が当事者
2国間で必ずと言っていいほど「必要」なんだ、というコトです。

抽象的に書きましたが、コレ以上野田政権と中国側が問題を複雑化して対立一辺倒に
進むのだけは避けてほしいトコロ。今の現状では両国の国民が安心して漁業もできず
に、またエネルギー資源も有効に利用できないまま続くと想いますよ。しょっちゅう「小
競り合い」しているのだから。

抽象的ですから分り難いかも知れませんが、事態を非常に憂いているイチ日本国民と
してこの場を借りて両国政府にお聞かせした次第です。




Sep/29th/2012

Previous

海外の放送局を中心に海の向こうの様子をレポートします。